ハイキューとスラダン
ハイキューが最終回を迎えて早一週間……
すごく前向きで素晴らしい最終回だったので、不思議なほど終わりをすっと受け入れられたな、と思ってはいるのですが、不意に「あ、もう新しい話は読めないんだよな」という考えが頭を過ったりして、やっぱり寂しいなあ、と感じる一週間でした。
でもまだアニメもコミックスもファンブックもあるし!とそのたびに自分を奮い立たせております。
そんな中ですが、ハイキューが終わる少し前から、ふとスラダンが読みたくなって、家にあった完全版を読み返してました。
元は夫が買ってきたもので、読もうかなーと思いながら気づけば何年か経っていました。
子どもの頃はJC版を持っていたんですが、何かのタイミングで売ってしまって、それ以来読んでいなかったので、読むの10数年ぶりですね……年月経ちすぎ……
だいぶ忘れてしまっていたようで、結構新鮮に読めたし、子どもの頃とは結構抱く感想が違うというか、こここんなに面白かったっけ?っていう気づきもあったりして楽しかったです。
まだIH予選の陵南戦が始まったところまでしか読んでいないんですが、読み進める中で、結構ハイキューと通じるところあるな……と思い、メモしながら読んでました。
パクってるとかではなく、やっぱりこれがスポーツ漫画の定石というか、外せないところなんだろうなと思ったり。
かと思えば違う要素も当然あって、気づいたらハイキューを思い返しながら読んでました。
結構比べてみると楽しかったので、感想代わりに書き留めておきます。
自然とハイキュー寄りになってしまうところはご理解ください。
まずは、この2作品の似ているところ。
主人公の実力
- 競技において素人同然だが身体能力が抜群に高く、技術の無さをカバーしている
桜木は完全なる素人で、日向は環境に恵まれずほぼ素人。
しかし二人ともめちゃくちゃすごい跳躍力とスタミナを持っている。共通してるなあ。
主人公の背番号
- ともに10番
同じだったのか……!と今回読み返して初めて気付きました。
主人公・準主人公の髪色
- 主人公→チームを象徴する色
- 準主人公→艶やかな黒髪
桜木も日向も、在籍する高校のユニフォームと同じ髪色をしています。チームを象徴する色であり、作品を象徴する色。
これは、古舘先生もオマージュとして取り入れたんじゃないかな…なんて思ったりしてます。
色でイメージがつく、っていうのはマーケティング的にも効果的だと思うんですよね。
じゃあ影山の髪がつやっつやなのって、流川がルーツだったりすんのか……?
準主人公の実力
- 周りから天才と呼ばれるハイレベルな選手。早々に日本代表、もしくは代表候補に選ばれる
準主人公とはスラダンでは流川、ハイキューでは影山が該当するということで話を進めます。
主人公の実力とのバランスで、これも定石なんだろうなと思います。
準主人公の性格
- 協調性がない
これもな~~!!
また後程触れますが、同じような性格でも、競技が違うと評価が変わるところが面白いなと感じます。
準主人公の授業態度
- 基本寝ている
朝練のためにしっかり起きることはできるのにね……
ライバル校との練習試合
- 主人公側のチームに、後々合流することになるメンバーが欠けている。理由も類似
ライバル校とは、スラダンでは陵南、ハイキューでは青城を指します。
2年生と3年生が一人ずつトラブルでいないんですよね。スラダンは三井と宮城、ハイキューは旭さんとノヤっさん。ハイキューは暴力沙汰とまではいきませんが。
三井さんと旭さんが同じポジションなのかと思うと、キャラが違いすぎてちょっと面白いw
公式試合でライバル校が改めて主人公のチームを久しぶりに見たとき「あれ、知らない奴増えてる」ってなる展開も似ていて良いですね。
ライバル校との公式試合
- 相手側に切り札となる新メンバーがいる
陵南は福ちゃん、青城は狂犬ちゃんですね。
副主将
- 1年の台頭でスタメンにはなれないものの、チームの精神的支柱になっている3年の副主将がいる
スラダンは小暮さん、ハイキューは菅原さんにあたります。
やっぱり、副主将はお母さんポジ……これはもうスポーツものの宿命のような気がする。
あと、Tシャツのセンスが独特っていうのも似てる。
いやでもハイキューは結構みんな独特だったなw
でも菅原さんはお母さんポジだけにハマらないんだよ……大好き
敵校のイメージカラー
- ライバル校はブルー系、同県の常勝校は紫
これも似てるのか~!と目から鱗でした。
陵南は完全に青って感じですが、青城はミント系のブルーですね。ミントグリーンとも言えるか。
同県の常勝校とは、スラダンは海南、ハイキューは白鳥沢。どっちも紫だし、中心選手のキャプテンはゴツい。
主人公チームの監督
- 名将と呼ばれていた人物、もしくはその血縁者
老齢の名将が途中病気で倒れるというところも少し似ています。
また、監督の教えを乞いたいと入学してきた生徒もいたり(スラダンは三井・宮城、ハイキューは影山)。
やっぱり上に昇るチームには優れた指導者が必要という、これも定石なのだろうなと思います。
ハイキューは、登場する大人は一貫してみんな素晴らしい人ばかりなのですが、スラダンは指導者側のリアルなところも掘り下げられていますね。
ライバル校の中心選手
- 準主人公と縁の深い、もしくは深くなる選手がいる
スラダンにおいては仙道、ハイキューにおいては及川さんですね。
仙道と流川は高校で初対面だと思いますが、及川さんと影山に至っては、中学では先輩後輩の仲。縁が深いどころではないというか、因縁というか、すごい関係性だなと思っている……国籍を変えてまでぶっ倒したい相手なんだぜ……
仙道と及川さんの、競技に対する執念の違いというのもあるのかな。
仙道はバスケを今後も続けるのか分からないし、比べられないというのもありますが。
主人公の在籍高校
- ともに県立高校。男子が学ラン、女子がブレザー
この制服の組み合わせって、結構珍しくないですか?学ランとセーラー服っていうのが定番の組み合わせだと私は思っている
スポーツ推薦で集められた精鋭たちではなく、偶然なのか運命なのか集まったメンバーで戦うっていうのは、いつの時代もドラマがあるよな。
全国大会時の宿泊先
- 名前が似ている
スラダンはちどり荘、ハイキューはかけす荘。
これもオマージュな気がするw
県立高校でお金がない、というバックボーンもありますしね。
ハイキューっ子たちはかけす荘を見て、誰も文句言わず「座敷童出そう!」ってウキウキしてたよね……かわいすぎか……
類似点はこのくらいにして、次は相違点。
これも比べてみると面白かったです。
主人公のフィジカル面
二人とも元から運動センスはありますが、日向は高さが大きな武器になるバレーにおいて平均以下の身長、さらに身体も細いのに対し、桜木は高身長でガタイも良く、体格的に恵まれておりバスケという競技に向いたフィジカルを持っています。
体格だけで言うならば日向は向いていない、桜木は向いている、と言わざるを得ないんですが、日向は最初からバレーが好き、桜木は初めはバスケが嫌いだった、というところですごいバランスが取れているなあと思ったり。
主人公の背番号が決まる経緯
どっちも10番なんですが、桜木は元々同級生に与えられるはずだったユニフォームを奪い取り、流川よりもひとつ若い番号である10番に。
日向は普通に10番を与えられ、影山よりひとつ遅い番号に不服だったものの、憧れの選手である小さな巨人と同じ背番号と知ると、喜んで受け入れていました。
ここは性格の差って感じですよね。
主人公チームの過去戦績
湘北は予選1回戦敗退の弱小校。
烏野は元強豪校だが、現在は予選2~3回戦敗退の古豪。
スラダンの方がよりジャイアントキリング感がありますかね。
ハイキューは、かつては強く人気だった日本のバレー界を烏野に投影しているのでは、という考察も見かけたりして、なるほどなーと思っています。
スラダンは、バスケはそもそもまだあまり知られていない時代だったので、これも日本のバスケ界を投影していたのかも?
準主人公の中学時代
流川も影山も中学時代からその界隈では名の知れた選手、というのは共通していますが、流川は実際に結果を残していて周りからの評価が高いのに対し、影山は不名誉な異名で呼ばれており評価されていないんですよね。
流川は中学の後輩から慕われている描写があるけど、影山は後輩の描写すらない。一体どう思われていたのか、気になるところではあります……こわいけど……
バスケもバレーもチーム競技ですが、バスケは一人で点を取ろうと思えば取れてしまうけど、バレーはサーブを除けば一人では点が取れない。そもそもサーブだけで試合を終わらせるなんていうのは不可能。ましてや影山はセッターという自分では点を取りにいかないポジションである、というところもこの二人の評価が分かれる要因の一つだなと思います。
流川も最終的には、ワンマンプレーでの限界を感じてチームプレーの大切さに気付くんですけどもね。
準主人公の筆跡
これも、読み返して初めて気付いたんですよ……
流川、めっちゃ字きれい………
これ井上先生の筆跡なのかな?なんか違う気もして、もし敢えて違う方が書いたのだとしたら「流川は字がきれいな奴だ」という先生からの意図を感じるぞ……
めっちゃ意外でした。
対して影山はお世辞にもきれいとは言えない。でもかわいいからOK
ライバル校の中心選手の評価
仙道は誰もが認める天才。本人も否定はしておらず、勝てなかった選手は高校NO.1プレイヤーと評される沢北だけ。
対して及川さんは、天才ではなく優等。むしろ天才くそったれと思ってるよねw
挫折の描写がない仙道と比べると、天才二人の板挟みで苦しみ、全国経験もなく、高校NO.1プレイヤーにあたる侑とは学生時代対戦したこともないという、及川さんの壮絶さが浮き彫りになるな……
こんな感じでしょうか。
どちらも必殺技が飛び出さないリアル寄りな描写のスポーツ漫画で、同じ雑誌で、連載されていた時代が違うからこその共通点も相違点もあって、自分で勝手に盛り上がってましたw
スラダンの時代はまだ根性論とかがまかり通ってた時代だと思うんですよね。
ゴリのキャプテンシーは確かにカッコいいのですが、あれが正しいかと言うと、今は美談では片づけられないだろうなと思ったりしながら読んでいました。
まだ途中までしか読み返していないので、また追記か、続きの記事を出すかもしれません。
私、ハイキューの中で一番好きな試合、稲荷崎戦なんですよ。
スラダンでいったら山王戦ですよね。
これは比べるしかない……!!